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表題作言ノ葉便り 文庫版 下

長谷部修一
白物販売員,26歳〜30代
余村和明
パソコン販売員,30代

その他の収録作品

  • 言葉のあとさきーあとー
  • あとがき

あらすじ

大人気小説「言ノ葉ノ花」後日談集。余村と長谷部が同居する経緯を描く「言ノ葉ノ誓い」ほか、単行本版発売以降に発表された同人誌や特典SSなどの未収録分に書き下ろしを加えて文庫化!

作品情報

作品名
言ノ葉便り 文庫版 下
著者
砂原糖子 
イラスト
三池ろむこ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
言ノ葉ノ花
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526305

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萌々

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中立

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趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

”光”の番外篇集、後日談。変わるもの、変わらないもの

はーーーー…何一つ文句なし!、の「神」評価です。

「言ノ葉ノ花」後日談集。
特典ペーパーや小冊子の内容に加え、書き下ろし「言葉のあとさきーあとー」が
加わった一冊です。

上巻の「言葉のあとさきーさきー」で余村が見つけた日記帳が、
こんなふうに下巻の書き下ろしに続くんですね...
読後直後の今、光の余韻に浸っています。

自分の気持ちや感情を言葉にして表現するのが
極端に苦手な長谷部。

そんな彼が8月2日、二人が同居を始めた日から
ポツポツとつけている日記のその内容が、もう胸熱で。

もうこれ、まさに「余村日記」なんです。
…といっても、最初は余村と一緒に食べたもの、
買ったものなどが羅列されているだけ。

そのうちちょっとずつ文章が長く、味のあるものになっていって、
余村が親知らずを抜いて大変なことになった時のメニュー、
「元気が戻った。よかった」の一言。

そして余村の母親が病に倒れ、
二人で入院先に会いに行った際の出来事ー

溢れんばかりの長谷部から余村への愛、
一生一緒にいるという覚悟が伝わってきて、
なんだかもう、泣きそうになっちゃいました。

桜の季節が来て、夏が来て一緒に花火を見に行って
(↑上巻口絵のあのイラストは、この時の場面を描いたものだったのですね!)、
秋が来て、冬が来て二人でクリスマスツリーを飾って…

移ろいゆく季節とともに時が流れ、
最後の最後にはなんと香奈ちゃんに子供が生まれ(もう5歳!)
二人が「おじさん」と呼ばれ複雑な気持ちを味わっていて...(*´艸`)

上巻で、二人の関係を理解したいと思いつつ、
すんなりとは受け止めることができなかった香奈ちゃん。

そんな彼女が、余村に
「自分の部屋をいつになったら使ってくれるの?」と言って拗ねた顔をして、
香奈の夫を含む5人で談笑しているー

談笑シーンのイラストこそなくとも、
頭の中に鮮やかにその情景がイメージでき、
たまらない気持ちになりました。

ほんっっっと、ここまでくるのにどれだけの
紆余曲折があったか...


短いお話が詰まった中で、特に自分が好きだったのが
「その日の言の葉」。

一つ屋根の下、「目玉焼きとスクランブルエッグ、どちらがいいか」と
送られてきたメッセージに、余村が返す一言です。

”僕はきみがいい”


…あーーーーー!!なんて甘いの...✨


その後、このメッセージを受け取った後の
長谷部視点のお話も収録されており、
攻め受け両視点でラブラブ小話が楽しめる喜びを噛み締めました。

互いに惜しみなく愛を囁き、確かめ合う二人。
いつまで経っても”あの時”以外は敬語がとれない長谷部は
そのうち、ためぐちで余村に話しかけられるようになったのでしょうか…?

そんな不器用でまっすぐなところも長谷部という男の
なんとも魅力的なところなので、変わらないでいてくれたらいいな。

30代となった二人の、”その先”にも思いを馳せながら、
満ち足りた気持ちで本を閉じました。

上下巻合わせて、切なさと人生の苦み、そして最高に輝く甘さを
めいっぱい感じることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
「最っっ高に素敵!!」と心から言える、シリーズ番外篇集でした。

2

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