07/18発売amazonの電子書籍版です
はーーーー…何一つ文句なし!、の「神」評価です。
「言ノ葉ノ花」後日談集。
特典ペーパーや小冊子の内容に加え、書き下ろし「言葉のあとさきーあとー」が
加わった一冊です。
上巻の「言葉のあとさきーさきー」で余村が見つけた日記帳が、
こんなふうに下巻の書き下ろしに続くんですね...
読後直後の今、光の余韻に浸っています。
自分の気持ちや感情を言葉にして表現するのが
極端に苦手な長谷部。
そんな彼が8月2日、二人が同居を始めた日から
ポツポツとつけている日記のその内容が、もう胸熱で。
もうこれ、まさに「余村日記」なんです。
…といっても、最初は余村と一緒に食べたもの、
買ったものなどが羅列されているだけ。
そのうちちょっとずつ文章が長く、味のあるものになっていって、
余村が親知らずを抜いて大変なことになった時のメニュー、
「元気が戻った。よかった」の一言。
そして余村の母親が病に倒れ、
二人で入院先に会いに行った際の出来事ー
溢れんばかりの長谷部から余村への愛、
一生一緒にいるという覚悟が伝わってきて、
なんだかもう、泣きそうになっちゃいました。
桜の季節が来て、夏が来て一緒に花火を見に行って
(↑上巻口絵のあのイラストは、この時の場面を描いたものだったのですね!)、
秋が来て、冬が来て二人でクリスマスツリーを飾って…
移ろいゆく季節とともに時が流れ、
最後の最後にはなんと香奈ちゃんに子供が生まれ(もう5歳!)
二人が「おじさん」と呼ばれ複雑な気持ちを味わっていて...(*´艸`)
上巻で、二人の関係を理解したいと思いつつ、
すんなりとは受け止めることができなかった香奈ちゃん。
そんな彼女が、余村に
「自分の部屋をいつになったら使ってくれるの?」と言って拗ねた顔をして、
香奈の夫を含む5人で談笑しているー
談笑シーンのイラストこそなくとも、
頭の中に鮮やかにその情景がイメージでき、
たまらない気持ちになりました。
ほんっっっと、ここまでくるのにどれだけの
紆余曲折があったか...
短いお話が詰まった中で、特に自分が好きだったのが
「その日の言の葉」。
一つ屋根の下、「目玉焼きとスクランブルエッグ、どちらがいいか」と
送られてきたメッセージに、余村が返す一言です。
”僕はきみがいい”
…あーーーーー!!なんて甘いの...✨
その後、このメッセージを受け取った後の
長谷部視点のお話も収録されており、
攻め受け両視点でラブラブ小話が楽しめる喜びを噛み締めました。
互いに惜しみなく愛を囁き、確かめ合う二人。
いつまで経っても”あの時”以外は敬語がとれない長谷部は
そのうち、ためぐちで余村に話しかけられるようになったのでしょうか…?
そんな不器用でまっすぐなところも長谷部という男の
なんとも魅力的なところなので、変わらないでいてくれたらいいな。
30代となった二人の、”その先”にも思いを馳せながら、
満ち足りた気持ちで本を閉じました。
上下巻合わせて、切なさと人生の苦み、そして最高に輝く甘さを
めいっぱい感じることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
「最っっ高に素敵!!」と心から言える、シリーズ番外篇集でした。