コミック

  • さよなら、あの日の服従
  • さよなら、あの日の服従
ちるちる評価ランキング
70

さよなら、あの日の服従

sayonara, anohi no hukujuu

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作さよなら、あの日の服従

柏木 圭哉
24歳,ヤクザの使いパシリ
鯉川 皐
24歳,ニューハーフバーで働く柏木の元同級生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

今度は俺が支配してやる

ヤクザまがいな仕事をしている柏木が、
事務所の幹部・タツミに誘われ向かったニューハーフバー。
店一番の売れっ子でタツミのお気に入りでもあるメイは、
高校時代に柏木がいじめていた鯉川だった。
鯉川を待ち伏せし絡みにいくも、
淡々とした態度で「興味がない」と返されいら立つ柏木。
そんなある日、タツミ絡みの仕事で
ピンハネしているところを鯉川に見られてしまい……。

作品情報

作品名
さよなら、あの日の服従
著者
せきとう 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リイド社
レーベル
SPコミックス mimosa
発売日
電子発売日
ISBN
9784845869121

ちるちる評価ランキング

70

4.8

(5)

(4)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
24
評価数
5
平均
4.8 / 5
神率
80%

レビュー投稿数1

”奴隷”に堕ちたクズ攻め。歪な主従関係の行き先は

『愛から一番遠い場所』が好きでたまらなかったせきとう先生の新刊、
楽しみに待っていました…!

こちらの新刊も、期待を裏切らない仄暗さ、エモさ。
表紙のピンクと緑に浮き上がった二人の姿も印象的で、
インパクトがあります。
(※途中強姦シーンがありますので、苦手な方、ご注意ください;)

昔”ホモ”だからーと虐めていた同級生に、
ヤクザに連れて行かれた先のニューハーフクラブで再会。

その後彼に弱みを握られ、自分の”奴隷”になって働け、と命じられて…

と始まるお話です。


もーーーーページ開いて最初の虐めのシーンから、
攻め・圭哉(けいや)がクズすぎてドン引きなんです。

ヤクザのパシリとしてクスリの売り上げをピンハネしてたりとか、
再会後の鯉川(受)に平気でヘラヘラ声をかけて
謝罪にもなってない言葉をかけたりとか。

その後も抵抗する鯉川を押さえつけて無理やり抱いて…

もう到底、好感度上がりようもないよね!?
誰かに(タツミさんにでも)こてんぱんにやられて叩きのめされてくれ!!
なんて思うんですが、
ここからの圭哉の内面の解かれ方、変化のありようが素晴らしくて。

タツミさんの語る辛い”過去”と、
「男を好きだとか 女を好きだとか そんなもので変わるものはない」
という言葉。

そして鯉川の語る
「俺たちなは何も”特別”な人間じゃない」
「冷たくされれば傷つくし 優しくされれば嬉しい」
(↑すみません、ちょっとうろ覚えで正確ではないかも;)

という言葉。

それぞれの言葉の重みが、刺さります。

そしてそう感じたのは読んでいる自分だけでなく、
圭哉も同じで…

「ありがとうございました」とタツミさんに頭を下げる圭哉、
そしてクラブで初めてきちんと自分から挨拶をし、
「悪かった」と謝りに行く姿。

彼が高校時代に鯉川に対してやったことは、
決して許されることではない。

だけど、自分が間違っていた、と気付きそれを恥ずかしいと思い、
やっと(本当に”やっと”だけど!)素直に過ちを認め、
変わろうとする圭哉のことはとても憎めず、
その不器用さがだんだん愛おしく(可愛く?)思えてきました。

そこで挟まれる高校時代の圭哉と鯉川のエピソードもまた、
良いんですよね..

突き指した鯉川にいち早く気付く圭哉。
無意識下でものすごく鯉川に惹かれ、”恋”しているわけなんですが
友人たちに”デキてる”とからかわれたことでカッとなり、
そこから異常なほどの暴力が始まる…

青さ・未熟さゆえに自分の本心に向き合えなかった
圭哉の弱さが痛々しく、切ない。。


終盤、そんな圭哉が頭を黒く染め、
土下座して頭を地面に擦り付けて鯉川に謝罪し
想いを告げるシーン。心震えました。

再会し、これは復讐するチャンスだー
と思っていた鯉川だけど、

作るごはんが美味しくて、不器用な自分に代わりドレスを直してくれて、
クイーン(鯉川の働く店)で意外と真面目に仕事に取り組んで…という圭哉の姿に
高校時代、優しかった圭哉の姿が思い出され重なって。。

本当に酷いことをした圭哉だけれど、
その根本にある部分、不器用な優しさや真面目さは変わっていなかったんだな、
と読みながら自分もおおいに絆されてました。

紆余曲折の末、やっと心が重なった二人。
鯉川の誕生日に圭哉が一生懸命準備したプレゼント、最高すぎんか!!
泣けてしまう( ; ; )

紆余曲折を経て…の光あるラストにたまらなくグッときました。

そしてまた、「さよなら、あの日の服従」というタイトルも素晴らしいな、と。
高校時代と再会後とで逆転する主従関係。
そこに「さよなら」を告げ、新たに始まる二人の関係に胸が熱くなる物語でした。

個人的一押しキャラ・タツミさん主役の番外編なんかも、
ぜひぜひ見てみたい…!
と、こちらで希望をそっと呟いてみます。

★修正:tn白抜き(電子シーモア)

4

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP
OSZAR »