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1巻が嘘のように甘々になった2巻。正宗が変わることを決意し、実際に改まったようだが、爽やかなエンディングは逆に不安に。正宗の重く異常な執着と立紀の危うい執着に仄暗さを感じ、もう少しダークな匂わせがあるかと思ってしまった。
昔のことは忘れ、また最初から始めようと言う正宗。その舌の根も乾かぬうちに、嫉妬に狂って乗り込んでくる。そんな横暴を何度も許してやっと、本当にやっと、立紀がブチ切れる。
「何ひとつ言葉にしないくせに」これ、読みながら何度思ったことか。
思いをぶつけ、それに対し反省を見せた正宗に、立紀はあっさり落ちる。結局はずっとお互いに好きだったという話で、言葉が足りなかっただけ。
正宗の間違った第一歩は、立紀の性癖と性指向を変えたらしい。あの強姦がなければ、正宗を愛する今はなかったのかな。
「本当はずっと優しくしたかった」と言う正宗は、続けて「顔を見るとぐちゃぐちゃにしてやりたくなる」と言う。一方立紀は乱暴なセックスが好きになり、正宗の異常性に悦びを感じている。
相手に引き出されたものなのか、これ以上ない相手を得て本性を出せたのか。
ところどころにモラハラとDVの気配を感じたが、それも含めて立紀は正宗を受け入れているよう。お互いに唯一無二の存在なんだろうと思えた。
欲を言えば、チラ見えしていた立紀の妖しい闇部分(マゾっ気?)をもっと突っ込んで読みたかったな。