【完全版】【イラスト入り】
タイトルと表紙イラストから、「受と攻が季節の移ろいを感じながら、ごはんを一緒に食べて幸せに暮らす同棲モノかな」と思いましたが、全然違いました。
のっぴきならない事情を抱えたユキ(受)と、そんなユキを助けたい隼(攻)がすれ違ったり、思いをぶつけ合ったりしながら、最後に結ばれるお話です。
お互い好き合っているのに、ユキの事情が障害として立ちはだかります。もどかしい! じれじれする! 心の中で何回も叫びました。
でも、樋口先生ならば読者をハッピーエンドに導いてくださるだろうと信じて、最後まで見届けました。正直、ユキが抱える事情が辛くて先を読みたくない時間帯がありました。樋口先生の筆が冴えているからこそ、ユキの心情が痛いほどに伝わってきて……。
ふたりの想いが通じ合った時、大きな喜びを感じました。ずっとずっと幸せが続きますように。
本作はユキと隼が運命に負けまいと抗う、不屈の愛の物語でした。読み応えのある現代BLをお求めの方にオススメです!
本当に最高でした!
序盤は攻めの隼くん視点で始まり、受けのユキくんき対して「どう考えても好きじゃん!」の不器用な様子がラブコメっぽくてほっこりしました。でもそこからの怒涛の展開……!どんどん明らかになっていくユキくんの凄惨な過去、現状に読んでいてつらくなるくらいでした。でも、この物語を見届けねば……!と思うくらい、ユキくんがしなやかに強くて、休憩しつつもページを捲り続けました。
隼くんが本当に光の人間で、ユキくんはそれに焼かれつつも焦がれていて、読者わたしも萌えつつ心が散り散りになりそうで……。でも、最後、2人が諦めなかったからこそ辿り着けたハッピーエンドだなぁ、と思いました。たぶん2人がどうしようもなく折れてしまうようなポイントはいくらでもあって、でも結局、深みへはまらないよう踏ん張った2人がまぶしいです。
本当にしんどいお話でしたが、読めてよかったと心の底から思います。2人のこれからにでっかい幸あれ〜!
幼なじみの隼とユキの物語。連載中美味しそうなご飯と共に、隼とユキの物語がどうなるのか毎回気になりながら夢中で読んでいたので1冊に纏まったものをまた読めるのが嬉しい書き下ろし…隼ちゃん…良かったね
そして末広マチ先生のコミカライズとなんて豪華な…✨本編の挿絵もさることながら小冊子も豪華でした!コミカライズの隼もめっっっちゃかっこよかったしユキも可愛い
好きな先生の小説と好きな先生の挿絵とコミカライズを読めるなんて贅沢すぎる✨
またゆっくり読み返したいと思います☺️
今回は人気脚本家と幼馴染のお話です。
攻様が振られた過去をもつ幼馴染の受様と
再会して恋人になるまでと本編後日談を収録。
受様は代々村長で地主の家に生まれますが
限界集落に近い田舎を嫌って大学進学で上京します。
学生時代にシナリオコンテストで入賞して
脚本家デビューを果たすとドラマや映画の仕事から
雑誌のコラムから対談まで多方面で活躍する攻様は
自身を金甌無欠、完全無比な男だと思っていますが
母の頼みで遠縁で幼馴染である受様を同居させて以来
調子が狂い始めます。
同い年の受様は
攻様と小学校から高校までずっと同じ学校でしたが
受様は山の上のボロ屋暮らしでしたが
父が蒸発して母と姉が働いて受様と弟を養っており
受様もバイト三昧で家計を支え
高校卒業後は地元の古いスーパーで
社員を目指してバイトする道を選びます。
東京の私大に受かった攻様は卒業式の日
受様の恋を告白させようとしてうまくいかず
「恋人にしてやってもいい」と傲慢な告白をして
振られてしまいます。
攻様の黒歴史となった告白の日から10年がたち
やっと思いださなくなったのに
受様が東京で就職活動をすると知った攻様母は
勝手に攻様の家に泊めると約束したと連絡してきて
攻様に否やを言わせず
色褪せた鞄1つと卵を手土産にやってきた受様に
少しすまなそうながらも嬉しそうでもある笑みで
「攻様の助けがなかったらこれなかった」と言われて
頭を下げられた攻様はつい受様を招き入れてしまうのです。
果たしてこんな2人の同居生活は上手くいくのか!?
WEB配信連載をまとめての紙単行本化で
幼馴染の受様への初恋を抱え続ける攻様の恋物語です♪
初出同人誌で3話まで既読で
俺様ながらヘタレな攻様が初恋を拗らせた
ラブコメと思っていたのですが
受様の過去と現状が明らかになってくると
重くシリアスでハラハラな展開になっていき
胸がつまされる恋話でした ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐
最初は強引にやってきた受様に対して
振られた過去を引きずっている攻様が
いろいろな意味で痛いのですが
受様は攻様が恋したままの受様で
未だに恋心は消えていない事を認めたくない攻様は
受様を追い返したいと思うのですが
攻様の友人が経営する店で働くからと
攻様宅からの引っ越し話を決定事項として話されて
受様に頼られたいと思っている攻様は
ブチ切れて喧嘩別れしてしまいます。
いつも攻様には何も話してくれない事が
攻様には歯がゆくてやるせなくて哀しいのですが
受様が攻様にだけは話したくない理由があるのです。
攻様の友人でいくつもの飲食店をもつ甘い美貌の俳優
反社との関わりを噂されるモデル会社の社長
東京に出稼ぎにでて戻らなくなった受様の弟
受視点に変わる事で
攻様に見えなかった過去が見えて来て
受様が攻様を一途に慕うだけではいられなかった訳や
受様が弟優先だった理由が明かされく展開は
苦しくて辛くて
どうやったら受様の考えを変えられるのか
攻様は受様と幸せになれるのか全く見えず
受様が攻様の手を取る未来を選ぶまで
ハラハラしながらも一気読みしてしまいました ヾ(≧▽≦)ノ
まさか過ぎる展開でしたが
2人のハピエンまで読めてとても嬉しかったです♪
樋口美沙緒先生×末広マチ先生。こんな素敵なタッグの作品、読むしかない!
電子単話の方は未読で、今回一冊にまとまったことをXで知り、
手に取りました。
で、届いた本を開いて
「二段組…」と愕然(ちょっと敷居が高くて苦手意識が;)、
さらに”俺”という主語に「まさかの一人称!?」とびっくり。
が!!!
読み進めるとそんな最初の驚きなんて屁でもないほど
さらに驚く痛くて辛い展開に、途中言葉を失いました。
以下、本編の重大なネタバレかな?と思う内容を含むレビューとなります。
未読の方、ご注意ください。
遠縁の幼馴染×初恋で両片思い×10年ぶりの再会もので、同居もの。
「恋する食卓」というポップなタイトル、
並んで手を合わせ、今まさに朝食をとろうとする二人のほのぼのイラスト。
そして攻め視点で始まる物語序盤は、ツンツンすぎる攻めの純情が
コミカルに描かれていたのですが。
中盤、ユキ(受け)が何かを隠している?と隼(攻め)が気付き始めてからの
怒涛の展開!!!
もう、読み始めた時には想像すらしていなかったお話だった......
正直なところ、「(全体的に)萌えたか?」と言われると、
萌えたわけではない、、かもしれない。。
ツンデレ(すぎる)攻め・隼と不幸体質すぎる不憫受け・ユキ、
どちらも自分の「どストライク!」というタイプではなく、
とにかくアホすぎどうしようもなさ過ぎるユキの弟・のんちゃんに
腹が立って仕方なくて。
あと、嫁いでいったお姉ちゃん。
何も知らず、ユキとのんちゃん兄弟のことには関わらず、
嫁ぎ先の新しい家庭で最後までのほほんと過ごしているのが...
(巻き込まないことがユキの最大の望みでもあったのだから、
仕方ないよねと理解はできるのですが)
その点、なんか、なんだか、最後までモヤモヤとした思いが残ってしまいました。
ただ、ユキ視点の中盤〜後半にかけての流れは圧巻。
萌えるとかそうじゃないとか、好きとか好みじゃないとか、
そんなことは関係なしに、ただただ物語世界に引き込まれました。
隼視点では見えてこなかった、謎めいたユキの抱えてきた秘密。
その重さに、痛さに、ぐっと胸を抉られました。。
モブヤクザに口で奉仕させられる描写には、吐き気が、、
のんちゃんが大麻栽培に手を出したり、
詐欺の受け子にまで落ちてしまうこと。
それは単純に”自己責任”という一言で片付けられるようなことではなく、
いろんな事情や環境が絡み合っているんですよね。。
弱い部分を持つ人のところには、そこにつけ込もうと悪意ある人物が
近寄ってくる。
守る術や知識を持たない者は、簡単に搾取され蹂躙されてしまう、、
そんな社会の闇の部分をまざまざと突きつけられる、
胸痛むお話でした( ; ; )
ただ、恋愛面でいえば!!
やっとやっとやっと、素直になれた二人のラスト、終盤の光の展開には
涙…!
「俺にはお前が必要だ、って分かっただろ?」とまるで”褒めて褒めて”とでも
言うかのように傷だらけの顔で隼がユキににっこりする場面、大好きです。
たまらないです。。
末広マチ先生のイラスト(突入シーン)をしばらく黙って
じーっと見つめてしまいました。
一緒についてきた特別小冊子には、マチ先生のカラーイラストと
二人のエッチ小話の特別漫画(描き下ろし)が。
本編では少なめだった二人の絡みが、美麗絵でじっくり読めて
甘さを目一杯感じられるのが嬉しかったです☺︎✨
ふきのとう、菜の花、いちご…
二人の食卓に出てくる食べ物、料理がいちいち全て美味しそうで、
夜中に読んでなくて良かった…と思いました笑
これからユキには、心の負担から少しでも解き放たれて、
隼のそばで”幸せ”を心ゆくまで噛み締めて過ごしてほしいー
心からそう願ってやまない、長く辛い展開の末に光の見える、
夜明けの物語でした。