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流星×アキ
重い!心に深く響く黄昏系。
幼馴染の2人、
お互いを救い合って依存し合うのが両想いで、
共に罪に染まって・・・
激しく求め合う姿・・・が切なくもうっとりとする!
お互いのために犠牲を払うほどの重愛に震えるほどの衝撃が押し寄せる。
終わりに向かって、涙が止まらなくて、ティッシュをたくさん使ってしまった。
中原一也先生の今までの作品の中で最高の感動作だと思う。
暴力的な父親から毎日殴られていたアキを
支えてくれたのは同級生で幼馴染の流星。
アキの父親が突然失踪して、それから7年経った
25歳になったアキをずっと守り続けているのがもちろん流星。
介護職に就いたアキと、
地方検事になった流星。
小学校や中学校でのエピソードを通して、
2人の絆や、
不憫なアキが流星に大切にされる姿に加えて、
重圧を抱えた優秀な流星がアキに救われる姿や、
成長とともに、友情を超えた感情が芽生えていく2人の様子が心を打つもの。
その父親が突然失踪した原因が、
あらすじを読んだ瞬間でもうわかったとは言え、
ミステリー要素として、
次第に明らかになる一つ一つのセリフに緊張感がすごい!
見どころはその後の
不安定しながらも愛が溢れる展開だ。
事実が知られてしまったアキの兄が、
何度も金を無心し、悪意の脅迫行為を行うという混沌状態が突きつけられる。
自首しようとする流星、
それを止めるアキ。
隠されたアキの献身的な決意や、
その前の甘々な時間・・・
終始身を捧げる流星。
驚くべきラスト・・・
センチメンタルな光景が次から次へと訪れる。
エモいストーリーが、
ミドリノエバ先生の繊細で独特な絵とマッチしていて、
本当に素晴らしい作品に仕上がっている。
2人の重量級愛情がとにかく尊い!
特別な関係性を巧みに描き出して、
『夕陽が落ちても一緒にいるよ』というタイトルにぴったりの内容で、
深刻な感動とスリルが各細胞に直撃して、心臓まで突き刺さりました!
中原一也先生の新作。本当に楽しみに楽しみに待っていました。
読み終わったばかりの今、指先が震えてる……
何も考えられず、ちょっとぼうっとしています。
以下、内容に触れながらのネタバレありの感想となります。ご注意ください↓
どんな話なのか、サラッとあらすじを読んだ時にはまさかこんな展開になるとは予想していなくて、なんなら父親失踪の真実は別のところにあるのでは、なんて思ってました。
だからこそ、明らかになった真相、そしてさらに罪を重ねて堕ちていく攻め・流星の姿に驚愕し、痛々しくて胸が苦しくて、途中ちょっと呼吸困難になりそうだった……
先生があとがきで書かれているように、まさに、これぞ「究極の愛」だよね、と。
それ以外言いようがない…
この先にあるものが破滅しかないと分かっていても、その道に進まざるを得ない状況というものが存在するのだなと実感し、胸が痛んでしかたありませんでした。
善人か悪人か、で言ったら、間違いなく受け・アキの父親と兄は「悪人」になり、流星は善人と言えるだろうに、法律の上では重大な罪を犯した流星が「罪人」になってしまう。
善と悪の区分とは?犯しても仕方ないと言える殺人、許される罪というのもあるのでは…?など、本当に色々な考えや感情が、読書中も読後の今も頭の中をわーーっと駆け巡っています。
二人が愛を確かめ合い、抱き合うシーンが”一瞬の喜びの儚さ”を象徴しているようで、甘い場面のはずなのに胸に何かが突き刺さるような気がしました。
どこまでも重く、痛々しく、そして切ない「究極の愛」の物語。
読み返せるか、読み返したいか、と言われたら、あまりに痛々しくて(精神的に)ちょっと自分は躊躇してしまうけれど、間違いなくそこに最大限の愛があり、素晴らしい物語だと言えると思います。
文句なし!の「神」評価です。
すごかった……深い愛はまるで凶器。
一本の映画を観終わったような読後感に包まれました。
"愛のためならなんでもする二人"のことを「煮つけBL」というらしいです。(作者さまあとがきより)
過去に読んだ作品には、煮つけBLなるものはいくつかあったと思いますが、名称がついていたとは知りませんでした。作者さん、教えてくれてありがとうございます^ ^
もーーーー……このストーリーは大変に重く、マジで苦しかったです。親による虐待に絡んだ社会派な部分もあり、昨今問題に上がる歪んだ家族の関係性や虐待、ヤングケアラーなど、精神的に重くのしかかるシーンが多いこと。読んでてこちらまで精神が病みそうですが、でもその劣悪な家庭環境があってこそこの物語の意義があります。
父親からは肉体的な暴力を、兄からは精神的な暴力を。生きてる限り、血縁の家族の呪縛から逃れられないアキの人生は想像を絶します。
そんなアキの心の拠り所となるのが親友の流星。家族の愛に飢えていても、流星がいたからアキはまともに生きてこれたと言っても過言ではありません。そしてそれは流星にもいえることで、アキがいたから流星は、"流星"として存在することができたのです。
お互いがお互いを必要とし、強い絆で結ばれている2人。彼らのこうした相互救済的関係が、物語の大きな核の部分となり、煮つけBLとカテゴライズされる所以となっていきます。
それはあまりにも激しい愛情で、ここまでしちゃうのかよと。……第三者から見ると、理解できない選択を流星は犯してしまったと思うかもしれませんが、八方塞がりの彼らの状況を見れば、こうするしかなかったのだと理解できると思います。
愛するアキを守るため、自分の地位を捨てることも厭わない流星の想いの強さに胸が熱くなり、涙が止まりませんでした。
ああすれば良かった、こうすれば良かった…など悩めるほどの選択肢がなく、家族の呪いがどこまでもどこまでもアキと流星に襲いかかるこの状況を打破するには、この方法しかないのだと。その状況がとても辛く残酷だと感じざるを得ませんでした。
それと同時に、"家族"といえども、ただの生物学的な繋がりによって成り立つ集合体なのだなと思うしかないところも、実に嫌な感覚として残りました。
愛する人のためなら何でもする…というのはまさに究極の愛。血の繋がりなどなくても、自分の人生を最大限に投げ打てるほど、誰かを愛せることが奇跡としか言いようがありません。キレイゴトで済まされない世界があるのだということを踏まえれば、流星とアキの結末としてはベストだったと私は思います。
アキの家族があんなんじゃなければ違う方向で2人は結ばれたのかも…いや、そもそも惹かれ合うこと自体がなかったでしょう。とすれば、この結末からは逃れられなかった運命だったのかもしれません。
BLの部分だけじゃない、物語全体の事件性が高いところも見応えとして十分でした。
狂おしいほどの重くて激しい愛に、ずっと心が掻き乱されています。
先生がXで「幼馴染モノの煮付けBL」だと仰っていたので、三度の飯より幼馴染BLが好きな人間としては必読だと悟りまして、すごくすごく楽しみにしておりました。
そして拝読したのですが、ただただ圧倒的な読後感に暫く放心状態でした。
「煮付けBL」というジャンルを知らなかったので調べてから拝読したのですが、初めての煮付けBLがこちらの作品だと今後どんな煮付けBL作品を読んでも比較してしまいそうです。
また、近年の社会課題にも切り込んでいて、社会派の小説としての側面も素晴らしいと思いました。
BL小説なのでストーリーの過程で語られる以上の深掘りはしませんが、考えるきっかけになるのではと思います。
法で裁かれない"悪"もあるのです...
好きな人のためなら、大切な人のためならなんでもする。
彼を守るためなら、今すぐに全てを捨ててどんなことでも出来てしまう気がする。
夕陽が落ちるまでの数時間が2人だけの特別な時間だったあの頃。
割れたビスケットを無邪気に分けあって食べた子供時代から大人へと成長する中で、じっくりと時間をかけて大きく育った共依存めいた関係性にどうしようもなくしびれます。
なんだかものすごくわくわくしてしまって、夢中になってページをめくり、読めば読むほどツボを突かれた1冊でした。
毎日のように大小さまざまな報道がされている世の中。
たとえ法律や倫理的にはあってはならないことだったとしても、常識を取っ払って多方面から見てよくよく考えてみると、これは罪に問うのは酷だと感じる出来事も少なくはないなと思うのです。
作中の2人の状況はまさにそうなのではないかな。
流星の想いもアキの想いも痛いほど理解ができるもので、お互いに心から愛しているからこその手段と結果を責める気持ちにはなれず、むしろホッと安心してしまった自分がいました。
幼少期から続いた呪縛のような辛いエピソードが心苦しいのだけれど、合間合間に両視点で語られる、唯一無二の多幸感で満ちた2人だけの時間がとっても良かった。
お互いがお互いの光だったんだろうなあ。
そして、流星の容姿を「神様が気まぐれに時間をかけて作ってみた」と表現する中原先生のセンスがとても好きです。
ややほの暗さを好む個人としては、このまま誰にも見つからずに2人だけの世界で暮らしてほしい気持ちがなかったと言えば嘘になりますが…
すっきりと晴れやかにとまではいかずとも、また2人で共に未来を歩むためにはこれが最良の結びだったのかもしれませんね。
これを愛と呼ばずになんと言おうか。
ぐいぐいと読ませてくれる素敵なお話でした。